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湘南みたまま感じたまま(3)

 わが社は、JR鎌倉駅で通称江ノ電に乗り換えて2ツ目“由比ガ浜”の駅のそばにあります。関東一円の方にとって由比ガ浜は海水浴でおなじみですので、夏になると朝の電車はカップルや家族連れでとてもにぎやかになります。駅から海岸まで歩いて5分?みんなは海へ、私は後ろ髪を引かれつつ会社へーー毎日が忍の一字です。

 さて、江ノ電は鎌倉と藤沢を結んでいる可愛らしい電車です。地元の人にとっては生活の足、また観光客にとっては観光地への足となっています。単線の電車ですから、JRの電車などと違って車体も小さいですし、2両ないし4両で走っている姿をみると、“のどか”の一言です。それに線路脇の住宅とは至近距離ですので、人様の家の庭木の枝にぶつかりそうになりながらコトコト走っています。
 ところで私が電車に乗るたびに不思議に思っていることをお教えします。それは玄関が線路に向かっている家の存在です!?玄関を出ると目の前は線路。あの玄関は裏口なのかそれともーーー。
 確かに日常生活は電車に気をつければ済む事ですが、引越しや大きな家具他を入れるときはどうするのだろう?と見るたびに考えます。運送屋さんは電車の合間をぬって、(ちなみに上下線とも12分間隔で走っていますので、空いている時間は9分しかありません)線路を歩いて仕事をするのは大変そうと思いつつ、一度は見てみたいと切に願っていますがまだ実現していません。きっと私の念力が足りないのでしょう。

 隣の駅で線路にむかって暖簾を出している甘い物処は、駅のホーム端から階段を2,3段下りて、左右を確認して線路をまたがないと店に入れないのですが、これがそのお店の売りにもなっていて、結構流行っているようです。ただ食後、門から飛び出して電車を止める人も少なくないとかーー。
 先日4両編成の内2両が貸切で、片方のシートの上に上手い具合にテーブルを置いて宴会の用意をしながら走っておりました。アルコールはもちろんのこと、駅員さんがハッピを着て準備をしているさまは、飲み屋そのものーー。その楽しそうな姿を横目に家路を急いだ私でした。
 また、小さな駅で駅員さんのいない場合は、車掌さんのみならず運転手さんも切符の回収にあたります。由比ガ浜駅でも電車を降りると運転者さんが運転席から出てきて、当り前のごとく切符を受け取り、なにごともなかったように運転席に戻り、電車が発車します。これもチョット不思議な光景です。
 そして、毎日お世話になっている私にとって江ノ電の一番の魅力は、なんといっても昔線路で遊んだ“あのチョット危険な体験”を今でも味わえることでしょうか。右を見て・左を見て安全を確認し、バランスをとりながら線路の上を歩いてみるーーー。スリルと懐かしさの混じったこの感覚、他ではなかなか味わえません。(良い大人?は絶対やってはいけません)
 たまに近所のお年寄りが線路を歩いていても、警笛を鳴らさずだまって電車が徐行運転してますからーーー。江ノ電ってそういう電車です。

2005 June/Mom#3

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